「疲れやすい」「手足がしびれる」「記憶力が気になる」——こうした悩みの背景に、ビタミンB12不足が関係していることがあります。ビタミンB12は神経機能・赤血球の生成・DNAの合成に欠かせない水溶性ビタミンで、不足すると巨赤芽球性貧血や神経障害につながる可能性があります。特に動物性食品を食べないヴィーガン・ベジタリアンや、高齢者は不足リスクが高いため注意が必要です。
ビタミンB12とは|体内での重要な役割
ビタミンB12(コバラミン)はコバルトを含む唯一のビタミンで、主に腸内細菌が合成しますが、人体ではほとんど利用されないため食事からの摂取が必須です。体内での主な役割は、①赤血球の正常な生成(DNAの合成)、②神経細胞を保護するミエリン鞘の維持、③メチオニン代謝(ホモシステイン除去)の3点です。
ビタミンB12の特徴として、体内(肝臓など)に数年分の貯蔵が可能なため、すぐに欠乏症状が出るわけではありませんが、長期的な摂取不足は取り返しのつかない神経障害を引き起こす可能性があります。厚生労働省の推奨量は成人で1日2.4μgです。
ビタミンB12が豊富な食品ランキング10選
| 順位 | 食品 | B12含有量(100gあたり) | 摂取のポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | しじみ(生) | 約68μg | みそ汁一杯で1日分以上 |
| 2位 | あさり(生) | 約52μg | 汁も飲み干してB12を丸ごと摂取 |
| 3位 | 牛レバー | 約53μg | 鉄・葉酸も同時補給できる |
| 4位 | さんま(焼き) | 約17μg | 秋の旬魚として手頃に摂取 |
| 5位 | いわし(丸干し) | 約18μg | カルシウム・DHA・EPAも補給 |
| 6位 | さば(水煮缶) | 約13μg | 缶詰で手軽かつ長期保存可能 |
| 7位 | 牡蠣(生) | 約28μg | 亜鉛・セレンも豊富な海のミルク |
| 8位 | 卵(全卵) | 約1.1μg | 毎日食べることで継続補給 |
| 9位 | チーズ(プロセス) | 約3.2μg | 朝食やおやつに手軽にプラス |
| 10位 | 鶏むね肉 | 約0.4μg | 低脂質でたんぱく質も豊富 |
植物性食品にB12はほぼ含まれない
ビタミンB12は動物性食品にのみ実質的に含まれており、植物性食品にはほとんど含まれていません。そのため、完全なヴィーガン・ベジタリアンの方はビタミンB12の欠乏リスクが非常に高く、サプリメントでの補給が強く推奨されます。「のり(海苔)にB12が含まれる」という情報がありますが、人体が利用できない「不活性型」が多く、信頼できる補給源とはいいがたいとされています。
高齢者も注意が必要なB12吸収
加齢とともに胃酸の分泌が減少すると、食品中のビタミンB12を遊離させる能力が低下します。また、内因子(B12の吸収に必要な糖タンパク)の分泌も減少するため、高齢者は食品から十分にB12を摂取していても吸収が不十分になることがあります。この場合、高用量のサプリメント(1,000μg以上の場合は一部が受動拡散で吸収される)や、舌下投与タイプのサプリが有効とされています。


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