ハムやソーセージ、コンビニのお弁当、子どものお菓子……。毎日当たり前のように食べているものの原材料欄を、じっくり読んだことはありますか?
「亜硝酸Na」「アスパルテーム」「ソルビン酸K」――見慣れないカタカナが並んでいますが、これらが何なのか、体にどんな影響があるのか、正確に知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、特に気をつけたい食品添加物を具体的な名前と理由とともに整理し、食品表示の正しい読み方、そして「完璧にゼロにしなくていい」現実的な付き合い方までお伝えします。食の安全を家族のために考えている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
食品添加物とは
食品添加物とは、食品の製造・加工・保存などを目的として食品に加えられる物質のことです。日本では消費者庁・厚生労働省が安全性を確認したものだけが使用を認めており、法律上は「指定添加物」「既存添加物」「天然香料」「一般飲食物添加物」の4種類に分類されています。
現在日本で使用が認められている添加物は約1,500品目以上。その多くは適切な量であれば安全とされていますが、「許可されているから完全に安全」とは言い切れないのが実情です。特定の添加物については長期的・複合的な摂取リスクへの懸念が研究者の間でも議論されています。
特に気をつけたい食品添加物5選
亜硝酸ナトリウム(発色剤)
ハム・ソーセージ・ベーコン・たらこ・いくらなど、加工肉や魚卵製品に広く使われる発色剤です。食品に鮮やかなピンク色を保たせ、ボツリヌス菌の増殖を抑える目的で使用されています。
問題は、消化の過程でアミンと反応して「ニトロソアミン」という発がん性物質を生成する可能性があること。WHOの国際がん研究機関(IARC)は、加工肉をグループ1(発がん性がある)に分類しており、亜硝酸ナトリウムの関与が指摘されています。毎日大量に摂取することは避けたほうが無難です。
アスパルテーム(人工甘味料)
砂糖の約200倍の甘さを持ち、カロリーゼロ飲料・ガム・ダイエット食品に広く使われています。2023年、WHOはアスパルテームを「発がん可能性がある物質(グループ2B)」に分類。これはコーヒーや漬け物と同じ分類ですが、カロリーゼロをうたった食品を毎日大量に摂取している場合は意識する価値があります。
特に注意したいのが「フェニルケトン尿症」の方。アスパルテームはフェニルアラニンを含むため、この疾患を持つ方には危険です。製品には必ず「L-フェニルアラニン化合物を含む」と表示されています。
ソルビン酸K(保存料)
かまぼこ・ちくわ・漬け物・マーガリン・チーズなどに使われる保存料です。カビや酵母の増殖を抑える効果があります。単体では毒性が低いとされていますが、亜硝酸ナトリウムと同時に存在すると、変異原性(遺伝子に損傷を与える性質)を示す物質に変化するという研究報告があります。
複数の添加物が組み合わさったときの「複合毒性」は、単体評価では見えにくいリスクとして専門家から指摘されています。
タール系着色料(着色料)
赤色2号・赤色102号・黄色4号(タートラジン)・黄色5号などが代表的です。石油から作られる合成着色料で、お菓子・清涼飲料・和菓子・漬け物などに使われます。欧州では一部の着色料に「子どもの多動性に影響を与える可能性がある」として警告表示が義務付けられており、日本でも使用量の多い食品には注意が必要です。
赤色2号は日本では認可されていますが、アメリカでは使用禁止。各国で認可状況が異なること自体が、安全性の判断が難しいことを示しています。
リン酸塩(結着剤・pH調整剤)
ハム・ソーセージ・プロセスチーズ・インスタント麺・冷凍食品など幅広い加工食品に使われています。食品の食感を改善し、保水性を高める目的で使用されます。問題は、リンの過剰摂取が腎臓への負担増加やカルシウム吸収の阻害につながる可能性があること。特に腎臓疾患を持つ方には要注意の成分です。
また、食品表示では「リン酸塩(Na)」「重合リン酸塩」など複数の名称で記載されるうえ、pH調整剤として「一括名表示」されることもあり、実際の摂取量が把握しにくいという問題もあります。
添加物が特に多い食品カテゴリー
| 食品カテゴリー | よく使われる添加物 | 注意点 |
|---|---|---|
| ハム・ソーセージ・ベーコン | 亜硝酸Na、リン酸塩、ソルビン酸K | 毎日食べる習慣は見直し推奨 |
| コンビニ弁当・惣菜 | pH調整剤、増粘剤、着色料 | 添加物数が多くなりがち |
| カップ麺・インスタント食品 | リン酸塩、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤 | 塩分・添加物のダブルリスク |
| 清涼飲料水・ゼロカロリー飲料 | アスパルテーム、安息香酸Na | ゼロカロリーでも添加物は多い |
| 菓子パン・洋菓子 | イーストフード、乳化剤、ショートニング | トランス脂肪酸との複合リスク |
食品表示の正しい読み方
食品添加物への不安を実践的に減らすために、まず「原材料名」欄の読み方を覚えておきましょう。
- スラッシュ(/)以降が添加物
原材料名の表示ルールでは、原材料と添加物を「/」または改行で区切って記載します。「/」以降に並んでいるものがすべて添加物です。 - 一括名表示に注意
「調味料(アミノ酸等)」「乳化剤」「pH調整剤」などは複数の添加物をまとめて一括名で表示できます。何が入っているか個別にはわかりません。 - 「天然」でも注意が必要なものがある
「天然香料」「天然着色料」でも、安全性の評価が十分でないものがあります。「天然=安全」という思い込みは禁物です。
添加物と上手に付き合う現実的な方法
「食品添加物をゼロにする」ことは、現代の食生活では現実的ではありません。完全排除を目指すと、外食もできず、加工食品も一切食べられなくなります。
大切なのは「知った上で選ぶ」という姿勢です。
- 毎日食べるものから見直す
週に1〜2回食べるものより、毎日食べる食品の添加物を減らすほうが効果的。朝食のハムを無添加タイプに替えるだけでも積み重ねが変わります。 - 同じ商品なら添加物の少ないほうを選ぶ
同じスーパーの棚に並ぶ商品でも、原材料名をよく見ると添加物の数が大きく違うことがあります。少し意識するだけで選べます。 - 素材に近い食品を増やす
野菜・豆腐・魚・玄米などは本来添加物が少ない食品です。安全な食べ物の選び方の記事もあわせてご参照ください。
よくある質問
Q. 「無添加」と書いてあれば安全ですか?
A. 必ずしもそうとは言えません。「無添加」の定義は法律で定められていないため、特定の添加物だけを省いて「無添加」と表示しているケースもあります。2022年に消費者庁が「無添加・不使用表示」のガイドラインを改正し、一定の規制が設けられましたが、完全に信頼できるとは限りません。「無添加」表示を見たうえで、原材料名を自分で確認する習慣が大切です。
Q. 子どもは大人より添加物の影響を受けやすいですか?
A. 体重が軽いほど同じ量の添加物でも体重比の摂取量が多くなるため、子どもはより影響を受けやすいと考えられています。特に毎日食べるお菓子・ジュース・加工食品の添加物は意識して選んであげたいところです。とはいえ過度に神経質になる必要はなく、できる範囲で素材の食品を増やすことを心がけるだけで十分です。
Q. 食品添加物は日本と海外で基準が違いますか?
A. はい、国によって認可基準は異なります。日本で認められている添加物がEUやアメリカでは禁止されているケース(前述の赤色2号など)があります。一方、日本で禁止されていてもほかの国では認可されているものも。「外国では禁止されている=絶対に危険」とは言い切れませんが、各国の規制の違いを知っておくことで選択の参考になります。
まとめ:知識が食の安全を守る
食品添加物の問題は「あるかないか」ではなく、「何を、どれだけ、どのくらいの頻度で摂るか」という積み重ねで考えることが大切です。
特に亜硝酸ナトリウム・アスパルテーム・ソルビン酸K・タール系着色料・リン酸塩については、毎日大量に摂取することを避け、できる範囲で添加物の少ない食品や素材に近いものを選んでいきましょう。
食べるものを丁寧に選ぶことが、長く健康でいるための最もシンプルな方法のひとつです。食品選びのさらなる参考に、安全な食べ物の選び方やなたね油の安全な選び方の記事もあわせてどうぞ。

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